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Nd:YVO4レーザ結晶

Nd:YVO4レーザ結晶

Nd:YVO4レーザ結晶は、現在、ダイオードレーザ励起固体レーザ用として最も効率的なレーザホスト結晶の1つと言われています。
レーザ発振波長における誘導断面積が大きく、励起波長において吸収係数が高い上に吸収バンド幅が広く、さらに、レーザによる損傷しきい値が高いばかりでなく、物理的、光学的、機械的特性にも優れているので、Nd:YVO4レーザ結晶は、高出力で高安定、費用効果の高いダイオードレーザ励起固体レーザ用として優れています。 また、Nd:YVO4レーザ結晶と周波数逓倍結晶で、Nd:YVO4が強力で安定な赤外、グリーンレーザ、ブルーレーザを発振で きることが示されています。

ダイオードレーザ励起用として、Nd:YAGおよびNd:YLFの結晶と比較した場合、Nd:YVO4レーザには、励起波 長やダイオードレーザの温度制御の依存性が低いこと、吸収帯域が広い、スロープ効率(傾斜効率)が高い、レー
ザ発振しきい値が低い、直線偏光である、単一モード出力である等の利点があります。さらにコンパクトで単一 縦モード出力が必要とされる場合には、Nd:YVO4は一般的に使われている他の結晶と比べて大きな利点があり
ます。コンパクトなダイオードレーザ励起Nd:YVO4レーザおよびその2逓倍のグリーン、赤色およびブルー出 力は、加工、材料プロセス、分光、ウェハ検査、ライトショウ、医療診断、レーザプリント、その他多数の応用
に理想的なツールです。

CASIX社では、光学的に高品質で大型サイズのNd:YVO4を成長させる新しい方法を開発しました。最大φ35 ×50mm3のNd:YVO4結晶バルクや、最大φ20×20mm3に仕上げた低真性光学損矢の結晶を確実に提供してい ます。現在、CASIX社は、高純度Nd:YVO4結晶を大量に製造し、適正な価格で供給しています。

主な特徴

  • 低いレーザ発振しいき値、高い傾斜効率
  • レーザ発振波長で大きな誘導断面積
  • 広い励起波長域にわたって高い吸収
  • 光学的一軸性および大きな複屈折性で偏光レーザを発振

 

1.墓本的特性

原子密度: ~ 1.37×1020 atoms/cm2
結晶構造: ジルコン正方晶系、空間群D4h, a=b=7.12, c=6.29
密度: 4.22 g/cm2
モース硬度: ~5(ガラスと類似)
熱膨張係数: αa=4.43×10-6/K, αc=11.37×10-6/K
熱伝導性: ‖c=5.32W/m/K、⊥c=5.10W/m/K

 

2.光学的特性(一般的に1.1atm%のYVO4結晶、aカット)

レーザ発振波長: 914nm, 1064 nm, 1342 nm
結晶クラス: 正一軸、 no=na=nb, ne=nc,
no=1.9573, ne=2.1652, @ 1064nm
no=1.9721, ne=2.1858, @ 808nm
no=2.0210, ne=2.2560, @ 532nm
セルマイヤーの分散式
(純粋なYVO4結晶、λ:μm):
no2=3.77834+0.069736/(λ2 – 0.04724) – 0.0108133.λ2
ne2=4.59905+0.110534/(λ2 – 0.04813) – 0.0122676.λ2
熱光学係数: dna/dT=8.5×10-6/K, dnc/dT=3.0×10-6/K
誘導断面積: 25.0×10-19 cm2 , @1064 nm
螢光寿命: 90μs(2atm%のNd ドウプ時約50μs)@808nm
吸収係数: 31.4 cm-1 @ 808 nm
吸収長: 0.32 mm @ 808 nm
真性損失: 0.1% cm-1以下 @1064 nm
利得バンド幅: 0.96 nm (257 GHz) @ 1064 nm
偏光レーザ発振: π偏光;光軸に平行(c 軸)
ダイオード励起光学-光学変換効率: > 60%

 

3.異なるドーピング量のNd:YVO4 の吸収曲線

Nd:YVO4レーザ結晶は、励起波長で高い吸収係数を示します。それ故に、長さ的には短い結晶(例えば、1mm) が好まれ、Nd:YAGを使うよりもNd:YVO4 を使った方がさらにコンパクトになります。さらに、広くスムーズな吸収バンド幅のために、ダイオードレーザの選択や波長の選択にはNd:YAGよりも厳密である必要がありません。異なるドーピング量でのNd:YVO4 の吸収曲線を下図に示します。

0.5%ドープNd:YVO4の吸収曲線 (厚さ:1mm)    3%ドープNd:YVO4の吸収曲線 (厚さ:1mm)

 

4.蛍光スペクトル曲線

 (a)                           (b)
1.1atom%ドープのNd:YVO4 のp偏光(a)およびs偏光(b)での800nm~1600nmにおける蛍光スペクトル

 

5.レーザ特性

Nd:YVO4レーザ結晶は、1.06μmおよび1.3μmの両方の波長で大きな誘導断面図(σ)を持っています。波長1.06 μmにおけるa軸カットのNd:YVO4結晶の誘導断面図は、Nd:YAGレーザ結晶の約4倍です。Nd:YVO4レーザ結晶の励起寿命(τ)はNd:YAG結晶より寿命が約2.7倍短いが、積στに比例するa軸カットのNd:YVO4結晶の最小しきい値の性能指数(FOM)は、Nd:YAG結晶のそれより十分に大きいという特徴があります。励起量子効率(ηp)が高い ので、Nd:YVO4の傾斜効率は、レーザ共振器を正確に設計すれば、非常に高くすることができます。
次の表に、Nd:YAG結晶と比較したNd:YVO4結晶の主なレーザ特性を示します。

Nd:YVO4結晶とNd:YAG結晶のレーザ特性
レーザ結晶 Nd ドープ
(atm%)
σ
(x10-19cm2)
α(cm-1) τ(µs) lα(mm) Pth(mw) ηs(%)
Nd:YVO4(aカット) 1.1
2.0
25 31.2
72.4
90
50
0.32
0.14
78 48.6
Nd:YVO4(cカット) 1.1 7 9.2 90 231 45.5
Nd:YAG 0.85 6 7.1 230 1.41 115 38.6

 

さらに、1.34μmのCW動作Nd:YVO4レーザは、誘導断面図が18倍も大きいので、1.32μmのNd:YAGレー ザよりも完全に優れた性能です。
Nd:YVO4結晶は熱伝導係数が小さいので、高出力ダイオード励起に利用する場合には、熱レンズ効果を減少 させるため、単位長さあたりのドープ量の低いNd:YVO4結晶をお勧めします。高出力励起の場合、Nd:YVO4結 晶の側面に金メッキをすることで熱レンズ効果を抑制し、レーザの発振モードを強化することができます。詳細 についてはお問い合わせ下さい。

 

6.ダイオードレーザ励起Nd:YVO4 レーザ

    • 反射率R=96%の出力ミラーと、a軸カットで3mm長のNd:YVO4結晶を用いて、1.06μmで、しきい値78mW、傾斜効率48.5%が得られています。同じ条件で、5mm長のNd:YAG結晶の場合には、しきい値は115mW、傾斜効率は38.6%です。

 

    • 最近、a軸カットのNd:YVO4結晶を60Wの光ファイバー付ダイオードレーザで励起して、30W以上のTEM00出力が得られました。波長1064nmおよび1342nmの赤外で、安定な高出力がダイオードレーザ励起Nd:YVO4レーザから得られます。

 

    • Nd:YVO4マイクロチップレーザの単一縦モード発振が、高出力、高傾斜効率で達成されました。このような単一モード光源は、Ndレーザシステムの注入同期マスター発振器用として開発されました。

 

  • 1.34μmにおける誘導断面積が大きいので、Nd:YVO4結晶はダイオードレーザ励起1.3μmレーザ用としても効果的な結晶です。1mm長のNd:YVO4結晶を、808nmで850mWの出力で励起したところ、1.34μmで50mW の出力が得られました。ちなみに、2mm長のNd:YAG結晶の場合の出力は34mWでした。